カンボジアでデング熱にお気をつけてください。
デング熱、流行っています。
初発症状は発熱、発疹、頭痛、関節痛、嘔吐などです。
1.突然の高熱
デング熱の大きな特徴は突然始まる高熱です。感染後3~7日後に発症するとされています。蚊に刺された数日後に突然高熱がでた場合、デング熱の疑いがある言えます。
2.全身の痛み・だるさ
その後、全身が筋肉痛のような痛みが現れます。高熱の前後に全身の異常なだるさを感じ、それから、体がだんだん重くなって動くのが辛くなってきます。
3.皮膚の痒み・発疹
発熱の数日後に皮膚症状が現れます。発疹の度合いは様々ですが、皮膚の違和感やかゆみを伴なう事も多いようです。それが体中に広がってなかなか寝られません。
4.いろいろな症状
腹痛や頭痛、目の奥の痛み等様々な症状があらわれます。
高熱が突然出て、体中の痛みとだるさを感じ出したらすぐに病院・クリニックに行きましょう。血液検査ですぐにデング熱かどうかすぐわかります。
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デング熱とは、蚊を媒介として感染する伝染病です。
中南米の症例が圧倒的に多いのですが、東南アジア、オーストラリアでも発生しています。発熱期、重症期、回復期に分類されます。デング熱は感染から潜伏期間3~7日の後、発熱、発疹、頭痛、関節痛、嘔吐などの症状がおこります。
軽症の「デング熱」と、血小板減少と出血を伴う重症型デング(デング出血熱)とがあります。軽症でも皮下の点状出血や歯肉出血が現れることがありますが、通常は1週間ほどで後遺症なく改善します。
重症例になると、発症から3~6日後に肝障害や胸腹水が出現し、腹痛をきたします。同時に血小板が減少し、皮下出血、大量下血・生理出血から循環血液量の低下などが原因でショック状態になることがあります。
デング熱患者のうち重症型デングをおこす割合は1~5%とされています。
重症型デングはデング熱患者が解熱する時期に突然発症します。患者は興奮状態となり、発汗や四肢の冷感がみられます。さらに病状が進むと、重度の出血傾向(鼻出血、消化管出血など)やショック症状がみられます。なお、重症型デングとなった患者は重篤期が 24~48 時間つづき、この時期を乗り切ると 2~4 日の回復期を経て治癒します。
重症型デングを放置すれば致死率は 10~20%に達しますが、適切な治療を行うことで致死率は 1%未満に減少することができます。稀ですが、脳症、髄膜炎、多発性神経炎、ギラン・バレー症候群、心筋障害などを発症することもあります。
発疹、呼吸困難、息切れ、咳が続いている、意識がぼんやりとしている、内出血などの異常な出血がみられる、下痢が続いている、嘔吐が続く。こんな時には要注意です。
デング熱を発症すると通常は 1 週間前後の経過で回復します。
ウイルスには 4 つの血清型があり、感染はこのウイルスを保有する蚊(ネッタイシマやヒトスジシマカ)の吸血時におこります。ヒトがデングウイルスに感染してもデング熱を発症する頻度は 10~50%です。一度かかると免疫ができますが、異なる型のデングウイルスに感染した場合は再発症します。デング熱患者が重症化する起点については、血清型の異なるウイルスの再感染によるという説が有力です。重症型デング熱の 90%以上が二次感染時におきています。しかし、三次、四次感染ではむしろ防御的に働き、重症化率は低下するようです。デング熱を媒介する蚊の活動時間は夜明け少し前から日暮れまでの間、特に朝と夕方ですが、室内にいる蚊は夜間でも刺すことがあります。
予防は、とにかく蚊にさされないようにすること。
デング熱の予防は、とにかく蚊にさされないようにすることです。長袖、長ズボンを着用して肌の露出を少なくし、特に朝夕の外出時は虫刺され防止薬を使用することが大切です。
治療は対症療法です。
デング熱の確定診断には血液からのウイルス分離やウイルス遺伝子の検出を行います。
最近は血液中のウイルス非構造タンパク抗原検出キットが開発されており、早期診断に有用です。
デングウイルスに有効な薬はなく、対症的な治療を行います。すなわち、水分補給や解熱剤(アセトアミノフエンなど)の投与を行います。アスピリンは出血傾向やアシドーシスを助長するため使用しません。
重症型デングをおこした患者については、循環血液量を改善させるための輸液を行います。赤血球、血小板低下時は輸血する場合もあります。
重症型デングの患者でも適切な治療を受けていれば、20%以上の致死率を1%未満に減少させることができます。
とにかく、デング熱を疑ったら、早めに医療機関を受診してください。
プノンペン生活情報サイト「ポステ」に掲載していただきました。