【注意喚起】年中常夏のカンボジア・プノンペンで熱中症にお気をつけください。
熱中症で1万人搬送
日本も本格的に夏に突入し、記録的な猛暑が続いています。消防庁の発表では7月23日からの一週間で熱中症が原因となり搬送された方は1万3721人。東京都だけでも7月の熱中症による死者は96人で昨年の4倍。また、全国でも65人が室内熱中症が原因で亡くなりました。日本では熱中症患者とその死亡件数の増加に伴い、環境省が注意喚起を行っています。年中常夏のカンボジア・プノンペンでは屋外で熱中症になるということは安易に想像できます。カンボジアでも熱中症が原因と示唆される事案が相次いで発生し、今年6月には工場労働者100人以上が作業中の室内で意識消失して搬送されました。高温多湿なカンボジアで私達はどのような予防策をとっていけばいいのでしょうか。熱中症についての基礎知識、その予防方法と応急処置について紹介します。
- 熱中症とは
熱中症とは暑熱環境下で脱水や体温上昇、血流量低下などを引き起こす身体適応障害の総称です。初期症状としてはめまい、吐き気、失神、体温上昇や気分不良などが挙げられ、その程度によりⅰ~Ⅲ度まで分類されます。重症例では脳機能障害や腎臓障害、最悪の場合は死に至ります。
- 室内で起こる熱中症
日射病とは異なり、熱中症は室内でも起こります。屋内外、昼夜を問わず高温多湿な環境下が熱中症を引き起こします。事実、日本では高齢者や乳幼児の室内熱中症患者が増加しており、就寝中の夜間に熱中症にかかり死亡する例が多く報告されています。
- 熱中症にかかりやすい方
・乳幼児…乳幼児は大人より新陳代謝が活発で体温が高いのが特徴です。しかし大人と比べて汗腺の発達が未熟なため体温調節が難しくなっています。炎天下での車中など体温よりも周囲の温度が高くなる場所では短時間で体温が上昇し、重篤な熱中症を引き起こす場合があります。また、背の低い子供やペット、ベビーカーを使用している際は地面からの反射熱を大人よりも受けやすい状況になっています。
・高齢者…高齢になると身体の水分の割合が低下します。子供は体の70~75%が水分であるのに対し、高齢者は50~55%と言われています。また、高齢者は暑さやのどの渇きに対する感受性が低下することにより充分な水分摂取を行えていないことも熱中症の要因となります。さらに心機能や腎機能が成人と比べて低下しがちなために熱中症罹患時に重篤になりやすいという傾向があります。
・体調不良の人…下痢や二日酔いで脱水症状の方、疲労や風邪などで体調不良の方、心疾患・腎疾患・糖尿病などの方は体温調節機能や体内水分出納バランスが崩れやすいため要注意です。
- 予防方法
・水分補給…屋内外問わず、のどが渇いていなくてもこまめに水分を摂取しましょう。
・塩分補給…大量に発汗があった場合、体内の塩分が失われているため水を飲んでいても効果的に水分を補給することはできません。スポーツドリンクや飴などで汗で失われた塩分を補給できます。プノンペン市内のコンビニや薬局で簡単に購入できるRoyal-Dも水分塩分補給に有効です。
・環境整備…扇風機やエアコンで室温を適度に下げましょう。高温多湿なカンボジア・プノンペンでは除湿機の併用も非常に効果的です。
・衣服の工夫…衣服は綿や麻など通気性の良い生地を選んだり吸水性や速乾性に優れたものを選びましょう。
・直射日光を避ける…日中、室内でレースカーテンを使用することで直射日光を避け、室温自体を下げる効果も期待できます。遮熱カーテンは更に有効で、冷房効果も高めることができます。外出する際は帽子を被る、日傘をさすことで直射日光を避けることができます。
- 応急処置方法
熱中症が疑わしい症状がある場合は涼しい場所に移動し、水分・塩分補給を行いましょう。また首や太ももなど太い血管を場所を冷却することも有効です。熱中症は老若男女問わず24時間発症し、重篤な場合は死に至ります。水分を経口摂取していても体内に取り込まれるまでは時間を要します。熱中症を疑った際は早めの医療機関への相談や受診を推奨します。
サンインターナショナルクリニックでは日本人看護師による電話での相談を受け付けています。症状に応じた正しい処置を行い、重篤化を防ぐためにも疑わしい症状がある場合はお気軽にお問い合わせください。